ELON, EXPLAINED
JA
ボーリング・カンパニー / ラスベガス・ループすべての解説
ピンクと青のネオンに照らされた地下のベガス・ループ駅で待機するテスラ車写真:ボーリング・カンパニー
ボーリング・カンパニー3分で読めます2026年10月

ラスベガス・ループ

運行中 · 2021年

ラスベガスの地下トンネルをテスラ車が走る地下交通システム

ラスベガス・ループ(ベガス・ループ)は、地下を走る全電動の交通システムである。乗客はテスラ車に乗ってトンネルを通り、途中で止まらずに目的地まで直行する。イーロン・マスクのトンネル会社であるボーリング・カンパニーが建設し、運営している。始まりはラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)ループで、全長約2.7km(1.7マイル)、3駅のシステムとして2021年4月に開業した。会場の端から端まで歩けば45分かかる来場者を約2分で運ぶためのもので、その後、コンベンション会場の外へ大きく広がった。

ベガス・ループとは?

2024年にはコンベンションセンターの路線網が約3.4km(2.1マイル)、5駅に延び、リビエラ駅とセントラル・プラザ駅が加わった。会場の外では、リゾーツ・ワールド、ウェストゲート、アンコール、フォンテンブロー、サハラを結んでいる。ボーリング・カンパニーは、ターンベリー・タワーズとハリー・リード国際空港の第1・第3ターミナルも運行中の駅に挙げている。

ベガス・ループが生まれた理由

ボーリング・カンパニーは、道路は横に広げるだけでなく地下にも延ばすべきだと主張している。トンネルなら地上の土地を使わず、既存の道路や鉄道の邪魔にならず、何層にも重ねられる。ラスベガスには観光客であふれる回廊があり、確定固定価格契約に署名する意思のあるコンベンション当局もあった。そのため、この構想を事業として試す最初の場所になった。

仕組み

ボーリング・カンパニーによると、ループの車両はトンネル内で時速約241km(150マイル)まで出せるが、ラスベガスのトンネルでの運行速度は公表していない。

完成したベガス・ループのトンネル内を走る白いテスラ モデル3
写真:ボーリング・カンパニー
ボーリング・カンパニーによる、ループ車両と従来の地下鉄車両の最高速度の比較

中核はコンベンションセンターのトンネルで、1本または2本のトンネルからなる連絡路が、リゾーツ・ワールド、ウェストゲート、アンコールへ延びている。アンコールへの連絡路は長さ約707m(2,320フィート)のトンネル1本で、10週間足らずで建設され、乗車時間は約55秒である。

運行中のベガス・ループ各区間のトンネルの長さ

同社はコンベンションセンターのトンネルを、10万人超が来場するコンベンションの開催中に、道路を1本も閉鎖せずに掘った。

ベガス・ループの経済学

最初のLVCCループの建設費は約4700万米ドルで、確定固定価格契約だった。工事に実際いくらかかっても、ボーリング・カンパニーは1つの価格で請け負うという契約である。同社はこの金額を、自社のトンネルが地下鉄よりはるかに安い証拠として示している。コンベンション会場内の乗車は無料で、それ以外は有料である。ボーリング・カンパニーによると、コンベンションセンターからストリップまでは5ドル、空港からコンベンションセンターまでは14ドルである。

ベガス・ループの現状

ボーリング・カンパニーによると、ベガス・ループは14駅が開業しており、これまでに400万人を超える乗客を運んだ。2025年12月末からはハリー・リード国際空港の第1・第3ターミナルへの乗車も始まり、トンネルを空港まで延ばす工事の間は一部区間で地上の道路を走っている。サハラ駅は2026年8月に開業し、工事チームはパラダイス・ロードに向けて掘り進めている。同社は、ネバダ大学ラスベガス校(UNLV)に近いパラダイス・ロード4744番地の駅を近く開業予定としている。

ボーリング・カンパニーのトンネルを走る車両の長時間露光写真
写真:ボーリング・カンパニー

ボーリング・カンパニーは2026年8月25日、クラーク郡が新たに19駅を承認したと発表した。クラーク郡とラスベガス市がこれまでに承認したのは、総延長約109km(68マイル)のトンネルと123駅である。

クラーク郡が19駅を追加承認し、計123駅となった後のラスベガス・ループ駅のボーリング・カンパニーによる地図。
ボーリング・カンパニー、2026年8月25日
開業済みのベガス・ループ駅と承認済みの駅の比較

コンベンションセンターのループはピーク時に1時間あたり4,500人超を運んだ実績があり、路線網全体では1時間あたり最大9万人を運べるよう設計されている。

今後の展望

承認済みの路線図は、空港ターミナル、アリージアント・スタジアム、ストリップ、ダウンタウンまで広がる。ボーリング・カンパニー自身の一覧表では、駅の数は2026年末までに倍の28駅になり、バージン・ホテルズ、ヒューズ・センター、パラダイス・ロード駅などが近く開業予定とされている。地元テレビ局Fox5ラスベガスは2026年9月、同社がパラダイス・ロードからウェストゲート、バージンまでの駅を、11月のフォーミュラ1(F1)のレースまでに完成させたい考えだと報じた。

まとめ

ラスベガス・ループは、マスクのトンネル構想が初めて有料の乗客を運んだ場所である。2021年の3駅から2026年には14駅に増え、同社はすでに123駅を建設する承認を得ている。

この解説をシェアXでシェア

年表

  • 2016年12月17日:イーロン・マスクが、渋滞で頭がおかしくなりそうなのでトンネル掘削機をつくって掘り始めるとツイッター(現X)に投稿。これがボーリング・カンパニーの始まりとなる。
  • 2019年11月:約4700万ドルの確定固定価格契約のもと、LVCCループの掘削が始まる。10万人超が集まるコンベンションの地下で、道路を閉鎖せずに進めた。
  • 2021年4月:LVCCループが乗客を乗せて開業。全長約2.7km(1.7マイル)、3駅で、徒歩45分の道のりを約2分に縮める。
  • 2022年7月:リゾーツ・ワールドへの連絡路が開業。コンベンション会場の外へ延びる最初の路線となる。
  • 2023年5月:クラーク郡が、トンネル約105km(65マイル)、69駅への拡張を承認。
  • 2024年:LVCCループのトンネルが約3.4km(2.1マイル)に達し、ウェストゲートへの連絡路が完成。
  • 2025年:アンコールへの連絡路が開業。10週間足らずで建設され、乗車時間は約55秒。
  • 2025年12月:ハリー・リード国際空港への乗車が始まる。一部区間は地上の道路を走る。
  • 2026年8月:サハラ駅が開業。
  • 2026年8月25日:ボーリング・カンパニーが、クラーク郡による19駅の追加承認を発表。承認済みの駅は計123駅になる。
  • 2026年10月:14駅が開業し、乗客は延べ400万人を超え、パラダイス・ロードに向けて掘削が進む。
出典(12)
プレミアム次に読む · 無料特集MACROHARD(マクロハード)解説マイクロソフトの3兆ドル帝国を終わらせるマスクの計画ボーリング・カンパニーはトンネルを掘り、都市の地下で人を運ぶコストを下げる。MACROHARDが狙うのは事務作業のコストで、いまソフトウェア企業の社員が担う仕事をAIエージェントに任せる。無料で読めます · オリジナルグラフ28点特集を読む
さらに読む
↑ トップへ