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テスラ / パワーパックすべての解説
スーパーチャージャーの充電器の横に並ぶ、テスラのパワーパックの電池キャビネット写真:Raysonho、CC BY-SA 4.0、ウィキメディア・コモンズ経由
テスラ4分で読めます2026年10月更新

パワーパック

運用終了 · 2015年

太陽光と風力の電力を蓄える、テスラ初の系統用蓄電池。

テスラのパワーパックは、電力会社や大企業向けにテスラが初めてつくった蓄電池である。冷蔵庫ほどの大きさで耐候性のあるキャビネットに液冷式のリチウムイオン電池を収め、数十台から数百台を並べて系統規模の蓄電設備にする。テスラは2015年4月30日、カリフォルニア州ホーソーンで開いた「テスラ・エナジー」の発表会で、家庭用のパワーウォールとともに公開した。パワーウォールが動かすのは家1軒分だが、パワーパックは工場、変電所、あるいは島全体の電力網を動かせる。

パワーパックとは

パワーパックは、電池モジュールを収めた独立型のキャビネットである。第1世代の容量は100キロワット時(kWh)で、米国の平均的な家庭の約3日分の電力量にあたる。テスラは、キャビネットを横に並べることで、100kWhのユニット1台から100メガワット時をはるかに超える規模まで広げられるように設計した。ソフトウェアが全体を一つの大きな電池として動かす。イーロン・マスクはこれを「無限に拡張できる」と表現した。パワーウォールの事業用の兄弟分で、車庫ではなく電力会社のためにつくられた。

パワーパックが生まれた背景

太陽光と風力は、日が照り風が吹くときにしか発電できず、人が最も電力を必要とする時間と一致するとは限らない。パワーパックは余った電力を蓄え、指示に応じて送り返す。テスラはこれを、企業や電力会社が電力使用を料金の高いピーク時間帯からずらし、停電に備えて予備電力を確保し、電力網のリズムを保って安定させる手段として売り込んだ。こうした蓄電は、クリーンな電力網に欠けていた半分であり、ある時間につくった電力を別の時間に使えるようにする部品である。

仕組み

各ユニットは電池モジュールと、第2世代からは50キロワットのインバーターを組み合わせる。インバーターは直流を電力網が使う交流に変え、その逆も行う。全体はテスラの制御ソフトウェアが動かす。ハードウェアは速いペースで進化した。

パワーパックの1台あたりの容量は世代ごとに倍増した

2015年の最初のユニットの容量は100kWhだった。ネバダ・ギガファクトリーがセルの生産を始めた2016年末に量産が始まったパワーパック2は、同じキャビネットで容量を約2倍の約210kWhにし、最終型は232kWhに達した。同じ箱でエネルギーが2倍になれば、キャビネット1台、インバーター1台、コンクリートの土台1区画あたりに蓄えられる電力が増える。これが系統用の蓄電を本格的な事業に変える助けになった。

パワーパックの経済学

パワーパックの稼ぎ方は2つあった。どれだけ電力を蓄えられるかと、その電力をどれだけ速く送り出せるかである。テスラの全プロジェクトの中で、一つが群を抜いていた。

ホーンズデールはテスラの他のパワーパック事業を大きく上回った

カウアイ(52MWh)とミラ・ローマ(80MWh)も本格的な設備だったが、南オーストラリア州のホーンズデール・パワー・リザーブは、拡張前の時点ですでに両方をはるかに上回っていた。同じ差は、電池がどれだけ速く電気を送り出せるかを示す出力にも表れる。

出力でもホーンズデールが首位

ホーンズデールの出力は100MW、のちに150MWで、カウアイの13MW、ミラ・ローマの20MWを大きく上回った。この出力のおかげで、電力網の周波数の低下に数ミリ秒で対応できた。この高速応答の仕事が、初めて丸1年稼働した2018年の収入2900万豪ドルの大半を稼いだ。

パワーパックの現状

パワーパックの最大の見せ場は、ある賭けだった。イーロン・マスクは2017年3月9日、契約から100日以内に南オーストラリア州で100MWの蓄電池を建設して稼働させる、できなければ無料にすると約束した。テスラはホーンズデール・パワー・リザーブ(100MW、129MWh)を約60日で完成させた。建設は2017年11月に終わり、蓄電池は2017年12月1日に電力網への供給を始めた。当時、世界最大のリチウムイオン電池だった。2020年の拡張で150MW、193.5MWhになり、従来の発電機の安定した回転のように振る舞えるインバーターも加わって、電力網の安定に役立っている。テスラは2022年7月22日ごろにパワーパックの販売を終えた。メガパックなら、現場での作業をはるかに少なくして同じ役割を果たせたからである。すでに電力網につながっているパワーパックは稼働を続け、テスラのソフトウェア更新も受けている。

まとめ

パワーパックは、系統用蓄電池を価格表から注文でき、電力網へのサービスで投資を回収できることを示した。後継のメガパックが、いまその事業をはるかに大きな規模で担っている。

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年表

  • 2015年4月30日:テスラがカリフォルニア州ホーソーンのテスラ・エナジーの発表会で、家庭用のパワーウォールとともにパワーパックを公開。最初のユニットは100kWhで、価格は1kWhあたり250ドル。
  • 2016年2月:ソーラーシティが、ハワイ州カウアイ島の太陽光のピークカット用に52MWhのパワーパック設備を採用。
  • 2016年11月:ネバダ・ギガファクトリーのセル生産により、パワーパック2(約210kWh、エネルギー密度は約2倍、50kWのインバーターを内蔵)が実現し、2016年末に量産が始まる。
  • 2017年1月23日:南カリフォルニア・エジソンのミラ・ローマ変電所の事業(20MW、80MWh)が稼働。
  • 2017年3月8日:カウアイ島(KIUC)の太陽光と蓄電の事業が稼働。13MWの太陽光発電所と52MWhのパワーパックを組み合わせる。
  • 2017年3月9日:イーロン・マスクが、契約から100日以内に南オーストラリア州で100MWの蓄電池を設置する、できなければ無料にすると公に約束。
  • 2017年9月:ホーンズデール・パワー・リザーブ(100MW、129MWh)の建設が始まる。
  • 2017年11月:ホーンズデールの建設が100日の期限内に完了。蓄電池は12月1日に、世界最大のリチウムイオン電池として電力網への供給を始める。
  • 2020年9月:ホーンズデールの拡張部分が150MW、193.5MWhで稼働。グリッド形成インバーターを導入し、仮想マシンモードによる疑似慣性(発電機の回転の慣性を模した機能)に対応。
  • 2022年7月22日:パワーパックが販売リストから外れ、工場で組み立て済みのメガパックに引き継がれる。既存の設備は稼働を続ける。
出典(6)
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