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テスラ / パワーウォールすべての解説
夕暮れどき、モダンな住宅のパティオの壁に取り付けられた白いテスラのパワーウォール写真:テスラ(Tesla, Inc.)
テスラ5分で読めます2026年10月更新

パワーウォールとは?

2015

パワーウォールは、テスラの充電式家庭用蓄電池である。壁に取り付けて屋根の太陽光パネルや電力網の電気をため、家が必要とするとき、つまり停電時、料金の高いピーク時間帯、日が沈んだあとの夜間に、その電気を家に戻す。

テスラは2015年4月30日、新設したエネルギー部門テスラ・エナジーの最初の製品としてパワーウォールを発表した。電力網だけにつないでも、家庭の電気の使用を料金の高いピーク時間帯からずらせる。太陽光と組み合わせれば、長い停電の間も家の電気をまかなえる。

パワーウォール3の中身

現行モデルのパワーウォール3は、平たい形のリチウムイオン電池(軽い重量に多くのエネルギーを詰め込める電池)で、容量は13.5キロワット時(kWh)である。1kWhは電子レンジを約1時間動かす電力量にあたる。太陽光パネルの出力を家庭で使う電流に変えるソーラーインバーターも、電池に内蔵している。重さは1台約130kgで、IP67等級を取得している。ほこりと水を防ぐ密閉構造で、荒れた天候でも屋外に置いておける。

パワーウォールの利点

テスラがパワーウォール3の特長として挙げているのは、次の機能である。

1台で家全体をバックアップパワーウォール3は1台で11.5キロワット(kW)を連続出力し、最大185アンペアを必要とするモーターも始動できる。暖房、エアコン、大型家電を動かし続けられる。
ストームウォッチ悪天候が予報されると、パワーウォールは停電に備えて自動的に満充電する。
ソーラーインバーターを内蔵ソーラーインバーターは電池と一体である。太陽光の入力は6系統あり、それぞれがパネルの最適な動作点を追従する。太陽光から電力網への変換効率は97.5%と評価されている。
電気代を下げる節約モードは、家庭の使用履歴、天気予報、電気料金を読み取り、料金が跳ね上がる時間帯はためた電気で家をまかない、料金が安い時間帯に電力網から充電する。
電力網を支えて報酬を得る電力会社が電力網の支援プログラムを実施している地域では、需要が高いときにためた電気を電力網に送り、その分のクレジットを受け取れる。
10年保証テスラはパワーウォール3を10年間保証している。

パワーウォール誕生の背景

テスラが示した理由は明快である。家は昼間に太陽光で発電するが、電気を最も必要とするのは夜であり、電力網はみんなが一斉に電気を使う時間帯ほど料金が高くなる。蓄電池はその差を埋める。安い電気や自家発電の電気をあとのためにため、需要を料金の高い時間帯からずらし、電力会社の電気が止まっても家の明かりを保つ。テスラ・エナジー全体に共通するより大きな目標は、クリーンな電力への移行を早め、化石燃料への依存を減らすことである。テスラの事業計画は、1台あたりのコストを下げ、販売台数を大きく増やし、その上に太陽光と系統サービスを加えるというものだった。

仕組み

パワーウォールは、電力会社のメーターと家の分電盤の間に配線される。昼間は太陽光で充電し、料金が安い時間帯には電力網から充電を補い、家が電気を必要とするときや停電のときに、ためた電気を家に戻す。世代ごとの最大の進歩はハードウェアにあった。2015年のパワーウォール1で使える容量は6.4kWhだった。2016年のパワーウォール2はそれを2倍の13.5kWhに増やし、定格5kWのインバーターを内蔵した。2023年のパワーウォール3は容量を据え置き、改良のすべてを出力に注いだ。

コンクリートのパティオの壁に取り付けられ、Tのロゴが光る2台のテスラのパワーウォール
写真:テスラ(Tesla, Inc.)
パワーウォール3は1台あたりの連続出力を2倍以上に

この出力の向上こそ、いまは1台で足りる理由である。パワーウォール2の出力は5kWだったが、パワーウォール3は最大11.5kWを出し、最大185アンペアの大型モーターも始動でき、6系統の入力で最大20kWの太陽光を受け入れる。イーロン・マスクは「パワーウォール3で最も大事なのは、約30kWのピーク電力に対応できることだ。乾燥機やエアコンをまかなうのに十分である。つまり、ほとんどの家庭ではパワーウォール1台で足りるようになった」と書いた。インバーターを電池に内蔵したことで、設置もしやすくなった。

パワーウォールの経済学

初代パワーウォールの発売価格は、日常使い向けの7kWhモデル(実際に使える容量は6.4kWh)が3,000米ドル、バックアップ用の10kWhモデルが3,500ドルで、いずれも設置費用は別だった。長期的な採算を支えるのは10年保証で、10年後も容量の70%を保つことを約束している。家庭にとっての見返りは、ピーク料金で買わずに済む電気、安く売り戻す代わりにためておける太陽光の電気、そして停電中も途切れない電気である。テスラにとっては、設置のたびに、太陽光と系統サービスにまたがる長い関係が生まれる。

パワーウォールの現状

パワーウォールは、急成長する蓄電池事業の顔である。テスラはパワーウォールだけの数字を公表していないため、最もわかりやすい指標はテスラの蓄電池導入量の合計である。これには家庭用蓄電池のほか、系統用のメガパックも含まれる。

夕暮れのパティオのラウンジ脇、白い住宅の壁に設置されたテスラのパワーウォール
写真:テスラ(Tesla, Inc.)
テスラの蓄電池導入量は2022年の6.5GWhから2025年の46.7GWhに増えた

蓄電池の導入量は、2022年の6.5GWhから2025年には46.7GWhまで増えた。パワーウォールの設置台数も伸びた。

パワーウォールの設置台数は約2年で2倍の100万台に

パワーウォールの累計設置台数は約2年でおよそ2倍になり、2025年9月に世界で100万台を超えた。パワーウォールを含むテスラのエネルギー発電・蓄電部門の2025年の売上高は128億ドルだった。

今後の展望

次の段階の主役は、パワーウォール同士がつくるネットワークである。パワーウォール3は拡張でき、本体と拡張パックを複数組み合わせれば、1軒の家で最大44kWの出力と94.5kWhの容量に達する。こうした蓄電池は数千台単位で仮想発電所に参加できる。仮想発電所では、需要が急増したときに電力会社が家庭の蓄電池を一斉に呼び出し、電力網を安定させる。チームが節目を達成したときにマスクが記したように、パワーウォールは家庭に「電力会社の停電や電圧低下の間も、途切れない電力を保証する」。太陽光を加えれば、家庭は「電力網から離れて暮らせる」。

まとめ

パワーウォールは、家庭と電力網の関係を変えた。家の太陽光の電気をため、停電中も明かりを保ち、電力網が足りなくなれば電気を送り返せる。テスラの2025年第4四半期アップデートによると、パワーウォールはそれまでに8万9000回を超える仮想発電所のイベントを支えた。

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年表

  • 2015年4月30日:テスラがカリフォルニア州ホーソーンで初代パワーウォールを発表。新設のテスラ・エナジー部門の主力製品で、7kWh(3,000ドル)と10kWh(3,500ドル)の2種類。
  • 2016年10月28日:パワーウォール2が使える容量を2倍の13.5kWhに増やす。インバーターを内蔵し、連続出力5kW、ピーク出力7kW。
  • 2017年2月:ネバダ・ギガファクトリーでパワーウォール2の量産が始まり、出荷を開始。
  • 2023年9月8日:イーロン・マスクが、パワーウォール3は設置のしやすさと高出力を重視して最適化しており、1台でほとんどの家庭の無停電電源装置(UPS)になると述べる。
  • 2024年2月:パワーウォール3が米国全土で購入可能になる。ソーラーインバーターを内蔵し、容量13.5kWh、連続出力は最大11.5kW、6系統の入力で最大20kWの太陽光を受け入れる。
  • 2024年2月16日:イーロン・マスクが、パワーウォール3は約30kWのピーク電力に対応でき、乾燥機やエアコンをまかなえると強調。
  • 2024年12月31日:テスラの通年の蓄電池導入量が31.4GWhに達し、2023年のおよそ2倍になる。
  • 2025年9月4日:テスラが、世界30カ国でのパワーウォールの設置台数が100万台を超えたと発表。
  • 2025年12月31日:テスラの通年の蓄電池導入量が46.7GWhに達する。年間でも第4四半期でも過去最高を記録。
出典(12)
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